
ワンちゃんが急にたくさんごはんを欲しがるようになったら、「食欲があるのは元気な証拠」と思うかもしれません。
しかし、異常な多食が見られる場合は、病気が隠れていることもあります。
今回は、多食の原因となる4つの代表的な病気をご紹介します。
糖尿病
糖尿病は、インスリンというホルモンが不足することで血糖値が高くなる病気です。
血糖が体内でうまく利用できず、細胞が「栄養不足」と勘違いしてしまうため、食べても食べてもお腹が空いてしまいます。
さらに、水を大量に飲んだり、おしっこが増えたりすることも特徴です。
糖尿病のサイン
- 急激な食欲の増加
- 多飲多尿(お水とおしっこが増える)
- 体重が減ってくる
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能亢進症は、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰になる病気です。
このホルモンはストレスや代謝に関係していますが、過剰になると代謝異常や免疫力低下が起こります。
特に多食、多飲、腹部膨満、皮膚のトラブルなどが見られるため、早めの診察が大切です。
副腎皮質機能亢進症のサイン
- お腹がぽっこりと出てくる
- 脱毛・皮膚が薄くなる
- 食欲と水分摂取量の増加
吸収不良症候群
消化管に異常があると、食べ物を十分に吸収できず、栄養不足になります。これが吸収不良症候群です。
体は足りない栄養を補おうとして、食欲が異常に高まることがあります。
下痢や体重減少を伴うことが多く、ごはんをよく食べるのに痩せていく場合は要注意です。
吸収不良症候群のサイン
- 慢性的な下痢
- 体重が増えない、または減っていく
- 異常な食欲
膵外分泌不全症
膵臓が消化酵素を十分に出せなくなると、食べ物をうまく分解・吸収できません。この状態が膵外分泌不全症です。
食べたものがそのまま出てきたり、便が脂っぽくなるのが特徴です。
消化不良によって栄養が足りなくなり、ワンちゃんはもっと食べようとします。
膵外分泌不全症のサイン
- 大量の軟便や脂肪便
- 食欲旺盛なのに痩せていく
- 毛ヅヤが悪くなる
気になる「多食」…早めの受診を
「最近よく食べるな」と思ったら、それはワンちゃんからのサインかもしれません。
健康そうに見えても、内臓やホルモンの異常が隠れていることがあります。
病気の早期発見・治療のためにも、いつもと違う食欲の変化に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。